漫画家の夢

この前、一年ぶりにある友だちに会った。大学1年間をともに過ごして、途中退学した女の子である。私たちは同じ道を歩むと思っていたが、彼女は全く別の道を歩み、そしてその夢を叶えようとしている。レールの引かれた私の人生と比べると、少しうらやましい。

私は絵を描くことが好きで、小さい頃は漫画家を目指していた。画材を買ったり本を読んで勉強したり…はたまた数ページ描いて、少年マンガに連載している気分になってみたり…。

中学生のころ、自分の夢を担任と母親に打ち明けると、大いに拒否され、それで私の夢は終わった。まじめに勉強をして、普通の会社に努めて、普通の家庭を築きたいと思った。しかし、大学生になって同じ夢を持つ女の子に出会って、その子と仲良くなった時、この子に漫画家になってほしいと思った。

その子の絵は、正直言ってめちゃくちゃ上手なわけではない。だが、描くスピードや、キャラクターひとつを描くにしても、特徴をよくとらえていた(それが描くスピードを上げるコツなのかもしれない)。この子は、絵画のような一枚絵を描くよりも、漫画を描く方が向いていると確信した。

そして、私には何も言わずに友だち伝いにその子が退学し、夢に向かって本格的に始動していると聞いて、私はホッとした。私のように時間の流れのままに夢は風化して、その内なくなってしまうかと思っていたので、その子はちゃんと夢に向かって突き進んでいることが嬉しかったのだ。

そして久しぶりの再会。いつも通り元気そうで、そして夢をつかみ取ることができるかもしれないところまできたそうだ。彼女の今後が楽しみである。

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