身体が冷えるおじさん

最近身体が冷える。
もう私は「おじさん」と言われる域に入ってしまった。
北国出身で寒さには強いはずだったが、もう東京に出て来てから何年も経ち、手先足先が冷たくなることが辛くなってしまった。

一緒に上京してきた友達にも言われたが、北国出身だから寒くないというのは2年目くらいまでしか通用しないと言う。
確かに3年目に入ったあたりから、東京の冬が寒いと思うようになった。
暖房器具はエアコンのみだ。
それも初めは驚きだったが、夏でも冬でもそれ一台で済む便利さに乗っからせてもらっている。
そして今冬はエアコンも着けてなく、毛布とマフラー、二重に履いた靴下で何とか寒さを凌いでいる。

最近、両親が私を尋ねて東京まで出て来たのだが、その際にタイツを買ってきてくれた。
ズボンの下にタイツを履くというのは、まだ若者だと思っていた自分にとっては格好悪くて認められない行為だったのだったのが、せっかく買ってきてくれたということもあって、寒い日には着用している。

学生の時、研究室の先輩が暖かい土地から来た人で、ジーパンの下にタイツを履いているのを見たことがあった。
オシャレな先輩だったが、「寒すぎるんで、これ履かないと無理ですよ」と恥ずかしげもなく言っていて、あまり寒さを感じない自分には、オシャレよりそっちを取るのかと不思議な感覚だった。

女性は幼い頃から親や学校の先生に身体を冷やさないということの大切さを教わるようだが、男の自分は寒さなんて我慢してこそ、というくらいのものだった。
そんな自分をずっと見てきた母親が、年齢を重ねた自分に対して身体を冷やさないようにとタイツを買ってくれたのだ。
オシャレじゃなくても履くことにした。

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