一冊のノート

デザイナーの先生がこうした方が良いと言っていた。
巷で流行っている本でも同じようなことを言っていたが、日記や授業のノートを1冊にまとめるのが良いらしい。
スクラップ、スケッチ、その日気付いたことなどすべてを1冊に収めるのだ。

結局私は在学中一度もそんな風に出来なかったが、クラスで一番デザインが上手だった子はきちんと1冊のスケッチブックにまとめていた。
それを見て、雑誌のスクラップやポイントをまとめたノートや写真などが1冊にまとまっているのは、すごく綺麗でいいなと単純に思った。
何冊にもなったそのノートを卒業後に見返すだけでも価値があるし、人に見せても自分が何を好きかというのがわかるし、先生の言ったことは間違いではなかったと卒業する頃にわかった。

ただ、自分が思いついたことや考えだしたことはノート5冊ほど書き留めた。
最初の夏休みは映像作品をつくるために、テーマの解釈、賞を獲るための方法、映像への落とし込みなどをすべて論理立てて考えた。
それを漏らさず書き込んでいたら、ノートが1冊出来上がった。

今でもたまに見返すたびに新たな発見があるし、今の自分との考え方の違いに驚きがある。
日記やノートを書くことを勧める本は沢山あるが、大事なことは書くことではなく、書くことで将来見返すことができるということだ。

意外と意識しないと、一度も見直さない文章もノートもあるだろう。
すぐに手に取れる場所に見返しやすい状態で保存しておくことが大切で、何かアイデアに困った時にこれを見れば大丈夫というものが1冊あると安心できて良い。

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