接客と人間性

私は個人営業の居酒屋でアルバイトをしている。そこには田舎ならではの個性的なお客さんや常連さんがたくさん来る。面倒くさいなあと思う方もいるが、それでもお客さんと接するのはとても楽しい。

とあるお客さんは、40歳代という若さなのにきれいな白髪である。嫁と子供、孫もいるらしいのだが、仕事場の同僚の人に聞いたところ、すごく不真面目であまり仕事をしていないそうだ。居酒屋に飲みに来るときはとても面白い人だが、実はそうなんだ、と思いその人を見る価値観が少し変わった。

その人の仕事場の同僚の人も常連さんだ。この人は比較的まじめに仕事をしているのだという。よく仕事場での愚痴をこぼしているので納得もいく。ただ、彼女を連れてきては悪酔いして大きな声でトークしていると、うるさいなあと思うこともある。だが、どれだけ酔っぱらっていても会計はちゃんとする。「払ったっけ?」と何度も確認するので、意外としっかりしている人なんだと思った。

別のお客さんで、他県から働きに来ている常連さんがいる。その人も40歳代なのだが、酔っぱらってもあまり大きな声でしゃべることもなく、静かに飲んで従業員と楽しそうに話しているところをよく見る。絵に描いたような好青年で、こんな人もいるんだなあ、と最初は驚いた記憶がある。

接客の仕事は最初は慣れなかったが、いろんな個性のある人と喋っているとやりがいや充実感を感じる。そして都会ではこうはいかず、表面上の適当な笑顔でやり過ごすような仕事になるのかもしれない、田舎でよかったと思う。

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